畳のサイズは全国統一ではなく、
地域や建築慣習によって異なります。
設計段階でこの違いを理解していないと、
モジュールとの不整合
割付の崩れ
現場での調整増加
といった問題につながります。
この記事では、
設計士・建築士の方向けに
畳サイズの基礎から
実務上の考え方まで
体系的に解説します。
畳サイズ一覧(早見表)
畳1枚の仕上りサイズは以下の通りです。
ただし、こちらはあくまで基準寸法であり、
現代住宅においては、
主に江戸間を基準としながら、
現場採寸で調整されます。
畳サイズが異なる理由
畳寸法の違いは、
歴史的な建築基準に由来します。
京間(本間・関西間)
京都を中心とする現在の近畿地方では、
畳のサイズを元に柱を設置し、
部屋の大きさを決めていく
「畳割(たたみわり)」
という設計方法が一般的でした。
つまりは、
畳の大きさ基準で
部屋を作っていたのです。
江戸間(五八間・関東間・田舎間)
一方、江戸時代に入ると、
柱と柱の間の長さに、
畳のサイズを合わせる
「柱割(はしらわり)」
が採用されるようになりました。
これにより、
柱の太さ分だけ
サイズが小さくなりました。
団地間(五六間・公団間)
また、高度経済成長期の最中、
集合住宅需要が高まりを見せ、
コンパクトな部屋が求められた結果
更に小さな団地間が生まれました。
こうした歴史的背景より、
古くからの建物が多い関西では
「京間」が多く、
関東や東北では、
新しい設計方法の建物が多い為、
江戸時代以降に普及した
「江戸間」が主流となりました。
設計における重要ポイント
畳寸法は「固定値ではない」
現代住宅において重要なのは、
畳は現場採寸による
オーダー製作であることです。
そこで、
畳設計で最も問題になるのが
モジュールとの整合です。
尺モジュール
尺貫法に基づき、
古くから日本で使われている
基準寸法です。
910モジュールの場合
柱芯910mmの為、
壁厚や畳寄(洋室でいう巾木)
があることで、
実際の畳のサイズは
1枚900㎜×1800㎜以内程
(半帖で1辺900㎜以内程)
に収まりやすくなります。
つまり、
江戸間ベースが合理的です。
江戸間(約880mm)
→ 調整しやすい
メーターモジュール
広々とした空間を感じられる
国際的な基準寸法です。
1000モジュールの場合、
実際の畳のサイズは
京間寄りになってきますが、
畳1枚のサイズは
960㎜×1920㎜程が上限(※)の為、
割付可能かどうか、
注意をしなければなりません。
※製作する畳店様により上限には
多少の違いがあります
※特殊仕様のものは
1000㎜×2000㎜等もございますが
一般住宅様では通常使用いたしません
よくあるミス
製作可能寸法と
大きく差異がある場合には、
希望の敷き方が出来ない
事態が発生してしまいます。
【例1】
畳の向きを交互に変える
「市松敷」
を希望している
2730㎜×2100㎜のお部屋。
設計図面で
6枚(3枚×2列)
想定の畳割付をしました。
↓
市松敷では製作不可
となってしまいます。
単純計算で
畳1枚のサイズは
910㎜×1050㎜。
畳1枚の長辺が
1000㎜を超えている
ケースですね。
巾(短辺)の上限寸法は
約960㎜程となりますので、
交互に向きを変えて、
畳のサイズを揃えるには、
巾(短辺)も丈(長辺)も
960㎜以内に収まる
必要があります。
1帖サイズの畳として、
同じ向きで敷くことは出来ますが
市松敷は出来ません。
【例2】
フローリングに合わせて
畳の厚みを12㎜想定で設計。
↓
こちらも製作不可
となってしまいます。
畳は床暖房用で厚み13㎜、
通常の薄畳は15㎜が基本です。
現場でカットして
貼り付けをするような、
畳調タイルが
厚み12㎜仕様となっているので
起こりやすい勘違いです。
畳店様によっては
特殊仕様で12㎜対応を
しておられるところも
ありますが、
薄畳の基本は「15㎜」
と覚えておいてください。
よくある勘違い
【市松敷=正方形】
「市松敷」をする畳ですが
全てが正方形
という訳ではありません。
極力畳の大きさが均等に
なるように割付をしますが、
お部屋の形状により、
長方形の畳となるケースも
多くあります。
あまりに細長い畳が出来上がり
そうな場合には、
畳を1列増やすなどして
サイズ感を合わせることを
オススメいたします。
【畳は位置を交換できる】
畳寸法が均一であった
昔は交換も出来ましたが、
今は現場採寸による
オーダーが基本です。
建物、お部屋作りには
人の手が入っておりますので、
厳密に直角にはなっていません。
わずかな歪みがあるものです。
畳はその部屋の歪みも計算して
1枚1枚その場所に合わせて
製作をしています。
たまたまサイズが近くて
入替できるケースもありますが、
基本は畳の位置を交換することは
出来ません。
まとめ
畳サイズの理解で重要なのは、
地域ごとに寸法が異なる
設計基準(内法/柱芯)が違う
現代はオーダー製作が基本
モジュールとの整合が重要
という点です。
畳は柔軟な建材である一方、
設計段階の精度が仕上がりに直結します。
設計に不安がある場合には
お気軽にご相談ください。
お取引が無い場合でも、
出来うる範囲で
サポートいたします。

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